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コンサルタントボイス

Voice 025 クレー射撃
2014-12-01

ピーター・ドラッカーが提唱した概念に、「すでに起こった未来」というものがあるのをご存知でしょうか?
※参照URL http://diamond.jp/articles/-/43989
ちょっと乱暴な表現ですが、社会・経済・文化などの領域で、将来確実に起こる変化が、現在の時点で既に決まっている、という話です。
「そんなことあるの?」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、代表的なものは人口動態です。
身近なところでは、2020年の東京オリンピック、他にも各地の(再)開発計画、業界ごとにみられる国や団体が定める「ロードマップ」と言われるようなものが、調べてみると結構あるものなのです。

業界レベルの「ロードマップ」などでは、多分に関係者の思惑や、希望的観測が含まれていて、あまり参考にならないケースはあるのですが、間違いないものの代表例が人口動態と言えるでしょう。
詳細は割愛しますが、2050年に日本の人口は一億人を割り、全人口に占める高齢者の割合は、ほぼ4割に到達します。
人口動態というものは、昨日今日の取り組みで動かせるものではないので、ほぼ確実な予測と言えるでしょう。
2050年なんて随分先と思われるかも知れませんが、わたくしの3歳になる娘が、アラフォーになる頃ですので、そう思うと結構リアルな近未来ではないでしょうか?

「老人が増えるのであれば、シニアビジネスに活路があるのでは?」とは、よく言われる話ではあるのですが、わたくしが以前、地方に拠点を置く介護系事業の経営者とお話をした際、その経営者が仰ったことは、とても印象的でした。
曰く、「高齢者用の施設はもう建てない。なぜなら高齢者人口は2040年でピークを迎えるから。耐用年数50年の介護施設を立ててしまうと、後半の25年はマーケットが縮小する中で運営していかなければならないし、人口構成上、その老人を支える働き手を確保するのが難しい。さらに、統計値は全国平均なので、地方の高齢化のスピードは全国平均より遥かに早い。」とのことでした。
将来確実に起こりうる変化が、現在の意思決定の制約条件になるという、「すでに起こった未来」の典型だなと、わたくしは感じました。

ちょっとネガティブな例を引合いに出してしまいましたが、普段我々が新規事業開発のお手伝いをするときには、この様な起こりうる未来を前提に、事業案を練り込んでいくことが、とても重要になります。
ともすれば、今のリソース・今のニーズ・今のマーケットにばかり意識を向けがちですが、事業を練り込んでいる間にも時代は過ぎてしまいますし、そもそも新規事業というのは多角化と違って、企業の将来の柱を構築するためのものですから、将来の何処か(それは会社によって異なると思いますが)のリソース・ニーズ・マーケットにヒットさせなければなりません。
例えて言うなら、ライフルでどれだけ的の中心を撃ちぬくことが出来るかではなく、飛翔する的の進路を予測して散弾で当てに行く、クレー射撃のようなものだと、わたくしは思っています。
現在に立脚して思考を深掘りして行くことも大事ではあるのですが、新規事業開発については、時間軸を踏まえた、ちょっと違った思考をする必要があると思います。
ライフル射撃とクレー射撃、どちらが優れているということではなく、状況に応じて使い分けをすることが必要、そんなふうに考えています。

インターウォーズ株式会社
インキュベーションコンサルタント
渡辺 大


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