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TOP ライブラリー クライアントインタビュー トップインタビュー 株式会社LOCUS 代表取締役 瀧 良太 氏

トップインタビュー

株式会社LOCUS 代表取締役 瀧 良太 氏

これまでの映像業界の常識にとらわれず、お客様視点に立ち、品質・価格・実績を強みとして躍進している株式会社LOCUS(ローカス)(http://www.locus-inc.co.jp/)。

同社設立の背景や今後の展望について、瀧良太社長にお話をお伺いしました。

代表取締役 瀧 良太 氏

株式会社LOCUS(ローカス)

代表取締役 瀧 良太 氏

1983年10月4日 神奈川県川崎市生まれ
学生時代より、宝石や海外ブランドショップなどのビジネスを手がけた後、就職支援団体を立ち上げ、企業20社・学生500人のイベント、社長講演会など数々のイベントを実施し、新聞、雑誌など各メディアに取り上げられる。

大学卒業後、2006年に株式会社ビー・スタイルへ新卒入社。
入社1年目に動画関連事業を立ち上げ、2007年マネージャーに就任。
2010年株式会社ビー・スタイルから動画事業の事業譲渡を受け株式会社LOCUSを設立。

社長業に加え、クライアントの動画マーケティング支援、動画マーケティングに特化したニュースメディア「movieTIMES」の編集長、「動画関連セミナー講師」、そして自らも動画制作のディレクションを行うなど、新たな動画ビジネスの創造に最前線で携わっている。

小黒 力也

インターウォーズ株式会社

インタビュアー 小黒 力也

理系大学院修了後、国内系シンクタンクに入社し、金融機関向けのシステム開発に従事。ヘッドハンティング業界に転じ、IT部門のマネージャを経て、現職。

小黒 力也(以下、小黒LOCUS設立の経緯や背景を教えて頂けますか?

瀧 良太 氏(以下、):前職で立ち上げた事業をEBOしたというのが背景ですね。2006年4月に新卒で前職のビー・スタイルに入社し、新規事業担当になりました。仕事で結果を出したら新規事業をやれるという約束で入社をしておりまして、4月に全社でトップになった結果、約束通り5月から新規事業部署を立ち上げたというのがきっかけですね。当時注目されていた社内SNS事業だったのですが、その時に、SNSに動画を流すとコミュニケーションやナレッジマネジメント効果が広がるという事で、動画を流せる社内SNSシステムを作った事が動画事業を始めるきっかけになったと言えます。

瀧 良太 氏

その後、一旦撤退する動きもあったのですが、フリーランスの方を束ねて作っていた動画部隊をなくすのは…という思いもあり、私が責任者になって動画も受託制作に切り替えて、動画を軸にした事業をスタートしました。それにあたり採用の動画市場を調べた所、非常にニーズがある事が分かったのです。社員や社長が出席できない説明会に使いたいとか、各地で説明会をやっているので情報の均一化をしたいとか。ところがニーズがあるのにも関わらず、動画制作にはお金がかかるというイメージがある。そこを直販にして価格を抑えれば、動画を広められるのではとチャンスを感じ、2007年に事業を始めました。

最初は開拓に苦労しましたが、多種多様の業界大手、ベンチャー、中小企業各社様など、250社あまりとお取引できるようになり黒字転換を達成。ところがそこでリーマンショック。2009年の冬の役員会で事業を撤退するという話が決まりました。当初は事業をどこかに引き継いで頂く方向で動いていました。しかし、クライアント様や仕事をお願いしてきたクリエーターさんへの責任がある事。動画業界自体が、一般的なビジネス世界と少しかけ離れた古い体質があり、そこに何かしらチャンスがあるのではないかという事。事業自体は黒字だったという事。その三つを考えると、自分で引き取ってもいいんじゃないかという結論になったわけです。ビー・スタイルの三原社長とも、そういう話になり、個人のキャッシュで購入して2010年4月にLOCUSを立ち上げ、ビー・スタイルは2010年3月末をもって正式に退職しました。

LOCUS WAY

小黒:現在の事業内容は動画制作がメインになっているのでしょうか?

一言で言うと動画マーケティングですね。制作、プロモーション戦略の立案はもちろん、ターゲットとなるカスタマーの方に届けるという広告代理事業も行っています。動画を届けるだけでなく、動画を軸とした課題解決の手段が必要であれば、そこに携わっていくという事です。

小黒:お客様は何社くらいお持ちで、動画は年間何本くらい制作なさっているのでしょうか?

累計では700社くらいでしょうか。一般企業だけでなく、教育機関や政府機関なども含まれています。特定のお客様に偏ることなく、取引が大きいお客様であっても、単独で売上10%を締めているところはないですね。制作本数は、今は年間1000本くらいです。設立してから2年間は私と制作部門担当の森田しかいなかったのですが、ここ2年半で社員数は20名強に増えていますので。

瀧 良太 氏

小黒:設立から2年間は、全く採用はしていらっしゃらなかったのですか?

個人的に一人の営業としては仕事にやりがいを感じていたのですが、その先にどういう世界観があり、どういう事業展開ができるのか、どういう意義があるのかなど、未来に対するビジョンが描けなかった。私自身がそういう状態だと、人を採用する資格がないかな、と思っていたわけです。

小黒:その2年を経た後、中途採用を始めて組織を大きくしようと決断されたのはどうしてでしょうか?

いろんな要因が重なって、結果的にという事でしょうか。ポイントは結構シンプルで、この業界は必ず伸びると考えた事ですね。例えばマーケティングにおける動画の活用法です。50数年、流す媒体はTVしかなかったのに、今は電車や街中でも目にしますし、ウェブだとYoutubeなどだけでなく、自社のウェブサイトに貼付けるなど、動画が色々な所で使われるようになってきています。広告目的だけでなく、業務マニュアルや商品の取扱説明書などの動画活用も年々増加しています。ウェアラブル端末や電子ペーパー、ホログラムなどが増えれば、もっともっと動画配信は増えますよね。
一方で動画=高い、動画=TVCM=大手企業という方程式ができており、複数の代理店が介在し動画制作を行うこの業界特有の構造は変えなければならない点です。クリエーターさん自体も地位や所得はそんなに高くはない所も変えなければならない。伸びるマーケットなのに解決すべき課題がある。また、私の回りには同年代の経営者が何人もいるのですが、動画ベンチャーはいないんですね。伸びるマーケットで解決すべき課題もあり、かつ儲かるはずで、競合がいない。誰もいないのであれば、僕自身がやらなければならないのでは、と思ったわけです。

瀧 良太 氏

小黒:競合はないという話はありましたが、大手企業やベンチャーの若い社長が始めようとならないのはどうしてだと思われますか?

今、動画制作を手掛けている会社の社長さんはクリエーター出身の方が多いんですね。そうすると、良い動画、自分が思い描いているものを作りたいという作る側の視点が中心になり、新しい動画やソリューションを生み出すとか、営業活動やプロモーション活動をするという概念が少ないように思います。語弊があるかもしれませんが、競合ではないと思うのはそういう意味ですね。動画ビジネスは何かと掛け合わせる事で非常に可能性があると思っているんです。動画×人材ビジネス、EC、アプリ、教育機関やカルチャースクールといったように。そういう事を考えている会社が少ないので、そういう意味での競合はないというのが近いかもしれません。

瀧 良太 氏

小黒:動画=高いというのを変えていかないと、とおっしゃっていましたが、お客様の声としてはいかがですか?

お客様のそれまでの知見によってですけれど、代理店さんにお願いされていた企業さんからすると安いというお話をいただいたりしますね。実績でいうと、2万円から1000万円くらいまで幅広いですが、ニーズとご予算、そして求めるクオリティから適切な方法をご提案させていただいております。

小黒:企業だけでなく、地方とか、教育、観光といった世界と動画は非常に相性がいいのではないかと思いますがいかがですか。

おっしゃるとおりですね。2020年の東京オリンピックを機に、東京一極集中の流れは強まるはずですから、地方の自治体からすると、いかに国内外の方に来てもらうかというのが課題になります。動画の果たす役割は大きくなるでしょう。

また今度とある自治体で講演をするのですが、技術伝承という面でも意義があると思っています。職人さんの技術を語り継ぐお手伝いができる。もちろん手の感覚までは表現できませんが、何かしら残せるものがあると思います。それは儲かるうんぬんではなく、国益としても意義があると考えています。

瀧 良太 氏

小黒:今後の展開に関してお伺いしたいのですが、制作された動画に枠を設けて御社が販売するという事もあるのでしょうか?

広告枠という意味ですか?ゼロではないですが、動画広告だけにはあまりこだわっていないですね。動画自体、営業ツール、マニュアル、観光、技術伝承など幅広いジャンルで使われていますから、動画広告の事業の領域も伸ばしつつ、『動画と言えばLOCUSだよね』、という環境にもっていけるといいですね。2019年にIPOするという一つのベンチマークがあるので、それに合わせて動画マーケティング事業を伸ばしつつ、それまでには最低2つは収益の柱を作り、上場直前には、また新しい事業の芽を育てておきたいと考えています。

瀧 良太 氏

小黒:その時の事業規模としては、どのくらいを描いていらっしゃいますか?

堅実な数字で言うと、2019年は売上で50億円、営業利益は6.5億円か7億円くらいです。事業構成としては動画マーケティングで30億円、それ以外で20億円でしょうか。

小黒:それ以外の事業とはこれから作り上げていかれるのでしょうか?

市場ができたらすぐにでもやろうという話ですけれども、動画の人材ビジネスが一つです。アメリカなどでもそうですが、Facebookやオウンドメディアといわれる自社のメディアで動画を毎日、複数本あげていく時に、外注すると手間もかかるしスピード感もなくなるので、インハウスでクリエーターを抱えるケースが結構増えているんです。今の社内にいるウェブ担当のような感覚ですね。そうすると人材の流動化が始まるので、人材紹介、人材派遣、動画クリエーターに特化した求人メディアもアリかと。
今もある意味では人材ビジネスに近いんですよ。弊社はクリエーター全員に書類選考をし、面接をしてデータベースとして抱えており、案件に合わせてクライアントさんとマッチングをしていますから。技術的な面でも強みがありますし、市場ができたら優位性があるかなと。派遣だけでも10数億円はいくかなと思っています。

瀧 良太 氏

小黒:そもそもIPOをお考えになられたのは、どういう思いがあっての事でしょうか?

そこはシンプルで、動画をもっと身近に、動画クリエーターをもっと身近にというビジョンを掲げてやっていくにあたっては、より影響力を持ちたい。そのためには資金力と知名度は必要だという事ですね。100年、1000年続く会社を作ろうというのがテーマですから、そういう意味でもパブリックになるというのは当然かもしれません。

小黒:今後の社長の夢を教えてください

ビジネスにおける夢としては100年、1000年、長く続く会社のDNAを作り後世に継承していきたいと考えています。

あと、LOCUSは関係なく個人としての夢ですが川崎出身でサッカー好きの私は小さい頃ヴェルディ川崎の大ファンだったんですね。なので、今や東京ヴェルディとなってしまった、ヴェルディをいつか個人のお金で買収して川崎に戻す。これは高校生の時からの夢ですね。

急成長20代社長ベンチャー50

小黒:社員の方々についても伺いたいのですが、どんな方がいらっしゃいますか?

『真面目で素直で誠実』というのは共通している所ですね。パーソナリティは人それぞれですが、企業主体ではなく、自分自身の何かを高めたいとか、何かをしたいとかを持っている方が多いですね。

小黒:役員の方も中途採用で参画された方との事ですが、今後入られる方も上を目指せる、役員を目指せる可能性はあるのでしょうか?

それはもちろんあります。社内でよく言っているのは、サッカーも野球もそうだと思いますけれど、年次がどうとか、年齢がどうとか、学歴がどうとか、過去の成績がどうとか、プロになったら関係ないですよね。それと一緒で、今後入ってくる方が、パフォーマンスが高く、目線が高く、マネジメントもできて人間力がある方なのであれば役員というのも全然おかしい話ではないと思いますね。

小黒:今後、転職を考えている方へのアドバイスや、御社からのメッセージがあれば聞かせていただけますか?

伸びるマーケットで、意義があり、競合が少ないというマーケットはなかなかありません。このチャンスを生かして、自分自身のビジネスマンとしてのスキルや経験値を積んでいただきたいです。まだまだ未開の地ではあるんですよ。50余年鎖国していたようなマーケットで、開国してまだ数年という状態ですから。私たち次第でマーケットを作る事ができるんです。正解もないし前例もない状況ですから、自分たちのアイデアやアイデンティティを全部生かせる。うちの社風もそうですが、100%トップダウンではないんです。やらされ仕事をしても面白くないでしょう?自分の思いを活かせる環境で、マーケットも広がる。この瞬間のこの巡り合わせにご興味を持たれたら、ぜひ一緒にこれからのマーケット作りを一緒に成し遂げたいと思います。

瀧 良太 氏

小黒:本日はお忙しい中、ありがとうございました。