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コンサルタントコラム

Voice 100 副業の目的は何のため? 

1)転職市場における副業の現状

転職市場で、「うちの会社では副業規定がまだないからダメだ」とか、
「副業を認めていかないと採用する側もなかなか良い人が採用できない」というお話をよく耳にします。

経団連報告では、現在既に半数以上の企業が副業を認め今後7割の企業が副業を認める予定とのことです。
特に不動産業、金融業などでは8割を超える企業が既に副業を認めているとのこと。
このことが何を意味しているのか改めて考えたいと思います。

また、今後は副業を認めることができない企業は、優秀な人材の確保が難しくなっているという側面もあります。
さらに、副業が禁止されている企業は、社員の成長機会を制限しているとも言えますし、また現代の労働市場では、社員が多様な経験を積むことが求められており、副業を認めることは企業の競争力を高める要素となり得ます。
そのため、副業を認める企業は、より魅力的な職場環境を提供できると言えるでしょう。

2)企業側の視点:多様なスキルと視野の重要性

企業側の経営的な観点でいうと
「未来を予測しづらい経営環境の元、社員の方々にも短視眼的に目の前の仕事に没頭するだけでなく、多様な世の中の変化に触れ、自身のスキルや視野を広げてほしい」
という企業側の意図は理解できます。

副業を認めることにより、企業は社員の成長と自己実現をサポートする姿勢を示すことができます。社員が多様なスキルを持つことで、今後予期せぬ市場変動や新たなビジネスチャンスにも柔軟に対応できるようになるとの期待もあると思います。

また、多様な視点を持つ社員が増えることで、企業内でのイノベーションも促進される風土醸成にも繋がるでしょう。さらに、社員が自らの成長を実感できる環境を提供することは、企業の魅力を高め、離職率の低下にも寄与します。

副業を認めることで、企業は新たな価値を創造し、競争力を維持・向上させることも可能となります。
前例がないからだとか、労働上のリスクを理由に副業の禁止を唱えられる状況は去りつつあるともいえるのではないでしょうか。

3)副業を望む人たちの視点

一方で副業を望む人たちの視点はどうでしょうか。

時短や労働生産性向上の声に従って本業にかけられる時間に制約が設けられたことや、働き方改革の名のもとに勤務場所や勤務時間に融通が利くことから余裕の出た時間を単に副業に充て、自らの副収入を増やしたいとの目的や意識が優先されていないでしょうか?

一方で副業を通じて新しいスキルを学び、専門知識を深めたいと考える人も多いです。
特に、異なる業界や職種での経験は、個人の市場価値を高める上で非常に有益です。
また、副業を通じて人脈を広げることができ、本業にもプラスの影響を与えることが期待されます。

副業により得られる収入はもちろんのこと、それ以上に自己成長やキャリアの幅を広げることを目的とする人も少なくありません。
柔軟な働き方が可能になった今、自己実現の手段として副業を選択する人が増えているのは自然な流れと言えるでしょう。

4)スキルと視野を広げる副業の意義

私は自分のスキルや視野を自社の仕事だけに縛られるのではなく、広い視野と多様なスキルを身に付け、より付加価値の高い仕事ができるようにするのが副業だと考えています。
あくまでも個人のビジネスマンとしての力量を高めるための副業であり、短期的に収入を増やすための副業ではないということを肝に銘じて取り組むべきだと考えます。

5)長期的な視点での副業の価値

このことを置き去りにしてしまうと、単に同じ能力でこなせる仕事をあえて残業手当を得るためにだらだらと同じ種の仕事に取り組む昔のサラリーマンのような働き方になってしまいます。

副業を通じて新しいスキルを獲得し、視野を広げることで、本業にも新たな価値をもたらすことができます。長期的には、こうしたスキルや経験の蓄積が個人のキャリアアップに大きく寄与するでしょう。

さらに、多様な経験を積むことで、新しいアイデアや解決策を生み出す力が養われ、イノベーションの推進力ともなります。副業を継続的に行うことで、自己成長だけでなく、組織全体の成長にもつながる可能性が高まるのです。

結果として、社員がより満足し、モチベーションを高く持ち続けることができる環境を構築することができるでしょう。

6)多様な働き方が認められる時代に向けて

せっかく多様な働き方や価値観が認められる時代になったのですから、その時代感に合ったプロの姿を目指すべきだと思います。

皆さんはどのようにお考えになりますか?

この新しい働き方の潮流は、個々の能力を最大限に引き出し個人と企業の双方に利益をもたらす可能性があります。
また、柔軟な働き方を取り入れることで、ワークライフバランスが改善され、社員の幸福度も向上するでしょう。

さらに、多様な働き方を受け入れることは、異なるバックグラウンドを持つ人々が共に働く環境を作り出し、組織のダイバーシティとインクルージョンを推進します。

このような環境下では、異なる視点やアイデアが交わり、より創造的で革新的な成果が生まれることが期待されます。

7)自己実現のための副業選択

私は自分の求める将来像を目指して、自己実現のために選択する副業でありたいと思います。
副業は単なる収入増加の手段ではなく、自分自身のスキルセットを拡充し、将来のキャリアパスを広げるための重要な選択肢です。

例えば、新しい分野での経験を積むことで、これまでにない視点や知識を得ることができます。また、副業を通じて得たスキルや知識は、本業にも還元され、業務の効率化や質の向上に寄与することがあります。

自己実現を追求する副業は、長期的なキャリアビジョンを明確にし、それに向かって計画的に行動するための重要なステップです。こうした取り組みが、自身の市場価値を高め、将来のキャリアチャンスを広げることにつながります。

さらに、副業を通じて新しい人脈を築き、異なる業界やコミュニティとのつながりを持つことで、より豊かなキャリアを築くことができるでしょう。

8)最後に

仕事での成功だけが人生の目的ではないでしょうが、人生の基本となる経済基盤を支えてくれるのは仕事と家族だと思います。

副業や異業種交流や他社への出向なども含め、これらの機会に積極的に臨み多様な価値観に触れ、より自分を高めていくことが、より充実した人生を過ごすことにつながると思います。

これらのことにまず第一歩を踏み出すことが未来のドアを開くことになるのではないでしょうか。

人によって人生の成功の定義は異なるでしょうが、目的と優先順位を考え「何のために?」の観点は大切にしたいと思います。


常務取締役 エグゼクティブコンサルタント
片原 和明