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コンサルタントコラム

Voice 59 お客様目線重視

新年度のスタートにあたり経営方針をいろいろな場面で目にするが最も目にするのは「お客様のために・・・。お客様の多様なニーズにお応えする新しいサービスを推進します。」などの文言かと思います。

一方で昨年末からクライアント様からご相談をいただき、いくつかのアパレルチェーン、 専門雑貨チェーン、外食チェーンなど数多くの店舗を拝見させていただいたときに、実感したことがあります。

繁盛店の店舗には必ず「笑顔とお客様と店員の方々の楽しげな会話」があります。

そのきっかけを作るのは来店された「お客様へのアイコンタクト」「商品を探しやすい、 すっきりした店内のレイアウトと陳列」がかならずされていることでした。もちろんその大前提はクリンネスがキープされていることです。

逆に陳列商品がぎっしりとハンガーにつるされ、通路や足の踏み場もない売り場状況や値札が きちんとしておらず、どの商品がセールス品、お買い得商品なのかまったくわからない。

結果的に自分が探している商品(買う気になる商品)にたどり着くことが難しい売り場の なんと多いことか。またわざとお客様と目を合わせないようにしているのかと疑うような 接客しかできないお店は間違いなく業績の悪い店舗でした。

必ずしも店舗責任者だけの責任ではなく、かつては全国一律、同一商品同一価格を集中購買により差別化が図れていたチェーン店があらゆる業態で通用しなくなってきていることを実感させられる。

これはアマゾンはじめとするネットビジネスの成長抜きには語れないと思いますが、それとは別次元で、リアル店舗だからこそできる「地域・顧客密着型のサービス」という独自の武器を磨くことを怠っていたという見方はないでしょうか。

もともと小売りの原点は「あの人がいるから行く」という「ファン作りこそが原点」であったはず。ファンとはフェイスブックの「いいねボタン」だけのものではなかったはずです。

またこのような現象は店員個人の怠慢のみによって形成されるものではなく、組織マネジメントの機能として歯車がかみ合わなくなっている事実や原因を放置された結果として起こっているケースの方が多いように思われます。

人の振り見て我が振り直せではないですが、人様から魅力を感じていただける人間でありビジネスマンであり、組織でありたいと強く思う今日この頃です。

取締役 エグゼクティブコンサルタント
片原 和明