コンサルタントコラム
Voice 28 転職活動時の記憶と今
過日、面談同席させていただいた新しいクライアントの面接官の方から、面接終了後、「紹介会社の方が面接に同席されるのは初めてでした。よく同席されるのですか?」という質問をいただきました。
その帰り道、自分自身が人材紹介会社にお世話になり、転職活動をした時のことを思い出しました。
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ある企業に応募し、書類選考を無事通過。
先方の社長にお会いいただけることになり、その面接には、紹介会社の方も同席いただけるという。
事前に待ち合わせ、一緒にその企業に向かう。到着すると、その方は私と同じタイミングで応接室に入り、社長に時候の挨拶をされた後、早々に面接開始。面接中は横に座って一言も発さず、終了後も、同じタイミングでその部屋を出た。
意図的に何もしていないようにも思えず、興味があったので、「毎回同席されるのですか?」と質問。
すると、「できる限りするようにしています。」 それを受けて、私が、「同席して面談時の空気やニュアンスがわかっていると、後々双方とのお話もしやすいですもんね。」と続けると、「面談に同席すると、先方のニーズや先方の考えていること、面談のポイントへの理解が深まるので、同席するようにしているんです。」とのこと。私 「そうですよね・・・」。
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先方の社長との面接の機会を創っていただいた事には大変感謝をしていますが、「自分の企業に対する理解を深める為に同席しているんだ」と、強烈な違和感を感じました。
今、逆の立場になって考えてみると、その紹介会社の方が言っていた通り、企業・案件・面接者に対する理解が深まることも事実ですし、大切な要素の一つだとも思います。
しかし、それが最も大切なことではない。最も大切なのは、ご縁を創り、入社後、その方にご活躍いただくこと。
そのために、
・クライアントからのヒアリング時
・候補者の方との面談時
・候補者の方への案件の紹介時
・クライアントへの候補者の紹介時
・お引き合わせ前
・お引き合わせ時
・お引き合わせ後
・諸条件調整の時
・内定時
・双方合意後
・入社後
自分はエージェントとして、どのタイミングで、何を語り、何をし、何をしないのか。
モノを扱うビジネスではないので、当然ながら、候補者・企業の双方に意志や思いがある。
状況は常に変化し、一人一人考えも、境遇も違う。そこに関わる人によっても結論が変わることもある、計算式のようには解が無い世界。
試行錯誤の毎日でもあるが、それが醍醐味だったりもする。この仕事をさせていただくようになってまだ8年。
自分が転職活動をしていた時に感じた違和感を忘れることなく、一つでも多くのご縁を創るために、引き続き、意志をもって試行錯誤していきたい。自戒の念を込めて。
>>ご縁自体は幸い前向きに動いた為、結果、その人材紹介会社の方とやり取りが続き、ある時、その日の違和感を正直に伝え、意見交換することで、誤解を解くことができました。